このプロジェクトを始めてから、
「hatt la hattってどこの国の言葉なの?」
「結局どんなことがしたいの?」
「なぜネパールでプロジェクトをするの?」
と聞かれることが多くありました。上記のような質問にお答えしつつ、読者の皆様にhatt la hattについて少しでも深く知っていただけるように、プロジェクト名の意味、プロジェクト発足のきっかけ、今後の目標等について包み隠さずご紹介します。
「hatt la hatt」の意味とは?
ネパール語の造語でhatt(ハット)は、手という意味。
hatt la hatt(ハットラハット)は「手と手」。
「皆の手と手がつながるように。」という意味が込められています。
実は、仲間たちとネパール支援するときに以前から使っていました。仲間たちがネパールで考えた名前です。活動が途絶えかけ、名前自体が消えてしまいそうになっていました。名前は他の候補も考えていましたが、なかなかピンとくるものがない中、hatt la hattがなくなるのは勿体無い!と思いました。
先頭に立って活動されていた方に思いを伝え、了解をいただきこの名前を引き続き使用することになりました。はじめてネパールに行ったときは、まさか私がこの名前を引き継ぐことになろうとは思ってもみませんでした。皆の想いがたくさん詰まった名前大切に使いたいと思っています。意味はもちろん、音に出しても読みやすく、覚えやすい。スペルで綴ってもカッコいい!お気に入りの名前です。
なぜネパールを選んだのか
「いきなりなぜネパール?」って、思いますよね。私とネパールとの出会いを簡単にお話します。
2015年、『私、ネパール愛してるから』が口癖の元気な日本人女性との出会いから全てが始まりました。その方は、元青年海外協力隊で当時ネパールに赴任されていました。彼女らがネパールに支援活動へ行くということを聞き、2015年1月はじめて一緒にネパールに行きました。現地へ行きましたが計画が上手く進みませんでした。
『ネパールという国がよりよくなるには、私たちになにができるんだろう』ということを現地滞在中、場所を問わず話し合いました。空港での待合室、移動の車の中、時には楽しい食事中に何度も何度もミーティングしました。『この国を導いて行くのは子供たち!今大切なのは子供たちの教育!』という結論に至りました。
ネパールの子供たちは、農繁期になったり家の仕事が忙しいと学校を休んで家の手伝いをする子がいると聞きます。そんな子供たちが十分な教育を受けられるようになれば、何かを変えることができるのではないかと考えました。支援方法を模索していた時、2015年4月25日ネパール大震災が起こりました。
渡航出来るようになった2015年8月、文房具や服といった支援品や寄付金をもって現地の孤児院へ行きました。2016年1月は引き続き孤児の支援。2016年8月と2017年8月にはカトマンズから車で2時間の小さな村就学支援へ行きました。孤児院では子供たちとの交流で、簡単な指遊び程度の手品をしました。今でも現地の子供達のキラキラした好奇心いっぱいの眼差しとシャイな笑顔が思い出されます。
子供たちが笑顔を絶やさないためには、安定した生活の基盤が必要だと思います。生活が安定するということのひとつに家族がいつも揃って暮らせることだと思うのです。そのためには収入が安定しなければなりません。収入を安定させるためには仕事が必要です。家族に仕事があるのはもちろんですが、母に仕事があり収入があると母も自信に満ち溢れ素敵な笑顔になれると思うのです。そして、母が笑顔でいると家族皆が笑顔になれる。子供が笑顔でいてくれることは母にとって何よりの幸せです。母がいつも楽しく笑顔でいてくれると子供も安心できます。
「子供には母の笑顔が必要で、母には子供の笑顔が必要」
それを気づかせてくれたネパールという国で活動を行うと決めました。
hatt la hattを通して母が共生できる世界を目指す
hatt la hattを通して、大好きな二つの国で母達が笑顔になるために、自分に何が出来ることはないか考えました。国を跨いでも同じ母。安定した生活のためにお互い協力しあえたらどんなに素敵な世界になるだろうと思いました。ネパールの母と日本の母が手をとりあい、共に生きる社会を作りたい。
hatt la hattは、手をとりあい、笑顔がたくさん見れるつながりを作りたいと思っています。
そんな中、何だか「支援」という言葉がひっかかりました。支える、応援する・・なんだか、上から見ているように私は思えました。私のしようとしているのはそうではありません。どちらが上でも下でもない関係。お互いがお互いを支えあい、「共に生きる」世界をつくりたい。その手と手をつなげる橋渡しをする。
現在、新型コロナウイルスの影響で、日本からネパールに渡航することが出来ません。ネパールに行かずに何ができるのか試行錯誤していた時、SNSでネパールのことをいつも投稿している人をふと見つけました。
日本から嫁がれているネパール在住のママでした。嫁ぎ先は、工房を持ったストール屋さん。早速、連絡しました。私の思いを話しました。その話の中で、ショールを日本の私達が販売することで現地の人に役に立てる方法があることも教えてくれました。
「ネパール人スタッフへ還元できる」彼女のお店も以前は、お給料もいい感じで出すことが出来、時にはボーナスも出ていたとか。現在は、従業員への減給もやむを得ない状況になっていると言ってました。私たちが役に立てるならまず販売をしようということに決めました。早速、販売する準備に取り掛かりました。
笑顔が生まれるようなトレードを
私は「フェアトレード」という言葉を前面に出すということを考えていました。フェアトレードという言葉を調べてみると、「公正な取引。発展途上国の貧困な生産者・労働者の生活改善と自立を支援する国際的な運動のスローガン。手工芸品や食品などを適正な値段で生産者から直接購入・販売する」といった意味が検索結果として出てきます。
またそこで私は思ってしまいました。
国際フェアトレードには基準があります。基準の特徴は、生産コストをまかない、かつ経済的・社会的・環境的に持続可能な生産と生活を支え、生産地域の社会発展のための資金を生産者に保証していることです。認定されるにはもちろん費用が必要です。初回認定料や年間総売上高や取り扱い産品数に応じて年間認証料がいるのです。その費用さえも働くスタッフの賃金にまわしていきたい。国際フェアトレード基準や認証ラベルをその名前のためにわざわざ受けなくても、末端でかかわっている人にまで公正に取引されるよう自分で確認して活動してみよう。
他の機関から証明してもらわなくても、私が公正な取引を十分確認して笑顔と一緒に商品を届けていく。そんな笑顔が生まれるような取引を目指します。
hatt la hattはフェアトレードという言葉はあえて使わないことにしました。
ネパールのママ達の手によって、作られている本物を私は日本に届けたいと思っています。
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